未踏の功績は「ゲームの存在」を技術者/学生に知らしめたこと.

なんだか未踏が失敗だったかのようなエントリを読んだ(ミスリードしてたらごめんなさい).


スラッシュドット ジャパン | 天才を発掘しても、日本では産業振興にはならない?」
http://slashdot.jp/developers/article.pl?sid=08/01/09/0423239


「未踏の次にすべきこと - 雑種路線でいこう」
http://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20080109/ipa


私は未踏の趣旨などはほとんど知らないし,実際にできたプロダクト自体にはあまり興味はないけれど,未踏が失敗だったとはとうてい思えず,むしろ大成功だと思ってる.



私が学生だった10年以上前,コンピュータサイエンスを学んだ田舎大学の学生のとる最良の選択は教授推薦をとってソニーNEC,日立などの大企業に入ることだった.ただ「最良の選択」といいつつも実はほぼその一択しかなく,学生時代にベンチャーを立ち上げてウハウハなどという話は話としては知っててもまさに「海の向こうの話」で,自分がそのプレイヤーになれるということは考えもしなかったというのが実際だった.


そんな中未踏は「そんなプレイヤーにあなたもなれるかもしれないんですよ」というある種の「ゲームの存在」を示してくれたわけで,この功績はとても大きい.



未踏に受かった人,応募した人,その知り合いたちを含めると結構な数の学生やエンジニアが「あぁ大企業にはいるだけが選択ではないんだな」と思い始めたはずで,今までだったらあんまり深く考えずに大企業にはいるはずだった人がベンチャーにも目を向けてくれるようになっただけでも大成功だと思う.


ただ学生が目を向けてくれるようになっても,ベンチャーがそういう学生の期待に応えられてるかはまた別問題で,これに関してはまた改めてエントリを起こしたいと思う.スラッシュドットの記事ではベンチャーを立ち上げても,大企業につぶされるみたいな論調があったけれど,個人的に見聞き経験してる範囲ではそんなに暗くはなく,むしろ明るいです.


(おしまい)