仙石さんが志が高く優秀だけど,あんまり金銭的に恵まれない技術者のことを憂慮されている.
「技術力が高い人こそ、ビジネスモデルの良し悪しにもっと敏感になるべき」
http://sengoku.blog.klab.org/archives/64945422.html
志のある仕事(OSSの普及やボランティア活動など)は率直に言うとあんまり金銭的には儲からないことが多い.だからそこをメインの糧としてがんばり自分をすり減らすよりも,もっと効率いい方法で儲けておいて,余った余力で真にやりたいことをやった方が自分のためにも社会のためにもいいことだと思う.
ただ仙石さんの言うように「だからビジネスモデルに敏感になれ!」というはまぁそうなんだけど,率直なところ「簡単に言うなよ」とも思う.
だから私がもし本当に10倍パフォーマンスがあって志あって,真に自分のやりたいことのあるエンジニアだったら,会社には2倍程度のパフォーマンスだけ見せて仕事をこなしつつ,残りでほかのことすると思う.
具体的にはこんな感じ.
1. ITとは関係なく儲かっている会社のIT部門に就職し,10倍のパフォーマンスでもって1ヶ月の仕事を実質数日くらいで終わらせるようにする.
2. 残りの時間で自分が真にやりたいことをする.
会社はたいてい仕事ができることがわかるともっと使おうとするので,会社には余力があることは見せず,ただ会社の期待するパフォーマンスだけはきっちり出して,給料だけはきちんといただくのがポイントだ.
余った余力を会社に捧げるのももちろんOKだ.ただしその場合は今の仕事をこなす方向に向けるのではなく,未来的に自分や会社が効率よく儲けられる仕組みを作る方に向けるべきだと思う.そうしないといつまでたっても自分が楽にならないからだ.
また通常普通の会社は2倍働く人には2倍のお金はくれないけれど,ほかで仕事をとってくる分には一人分の給料は出してくれるので,お金が欲しくなったらその会社からではなく,別の仕事を別途こっそりやるのももちろん手だ.
この戦略は
1. 会社はあんまり給料を払わずにそこそこ働いてもらってうれしい
2. 自分は自分の好きなことができてうれしい
3. その人が社会に貢献するなら社会もうれしい
といいことずくめだ.
狙ったかどうかはわからないけれど,これに近い戦略で生み出されたソフトウェアは結構多いのかなと思ってる.
2ch発のOSであるMonaはHigeponさんの会社がそこそこ暇だったからできたという話だし,世界的なソフトウェア言語であるrubyもまつもとさんが勤め人で暇な時期にこつこつ作ってたそうだ.
だから10倍できて志ある人は会社につぶされることなく,もっとしたたかにやってほしいなぁと思う.
私は残念ながらそういうエンジニアではないので,もうちょっと泥臭く生きていきます.
(おしまい)