「それでも戦場へ行け」と私は伝えた

私には年が離れた弟がいて,幸いにして国家試験に受かり4/1より医者になる.その弟から以前どの科目の医者になればいいのかの相談を受けた.


医学部においては先方とのマッチング問題があるとはいえ,基本どの科(内科とか小児科とか形成外科とか)の医者になることができる.彼曰く望めばいきなり月60万オーバーでかつ超楽な仕事もあれば,知的好奇心は満たせるけど給料安いなどいろいろ幅がありすぎて選びきれないというのだ.


私の前職は某サイトの広告システムエンジニアで,当時1日12.5億〜PVあるサイトの広告配信および画像配信およびログ集計の責任を直接負う立場にあった.この数字は当時としては本Blogタイトルである「最速配信研究会」という名に足る数字で,またお金を直接稼いでいることもあって非常にタフな仕事であったと思っている.


私はそこそこタフな仕事をしてきた自負と,色々思うところがあり,


「仕事が専門的すぎると状況一つで,いきなりつぶしがきかなくなる可能性がある」
「てっぺんを見ておくには越したことはない」


という自分の経験から,


「楽は後でもできるから,いろいろ学べて一番きついのをやっておけ」


というアドバイスをした.その後彼はとある地方の救急医療病院に就職を決め,地域の救急医療に従事するという旨を伝えてきた.


今の医療,特に救急医療の現場は


- レジデント初期研修用資料さん
- 新小児科医のつぶやきさん


などのBlogをひもとくまでもなく悲惨の一言で,「一番きついのをやっておけ」などと軽く言えるモノではない.数日前,彼が国家試験の合格報告を私にしてきたとき,


「おまえの選んだ職場はおそらくは戦場で,いいことも悪いことも高密度で見ることになると思う.ほんとにいろいろあると思うけど,作戦は"いのちをだいじに"で行け」となんだかバカっぽいアドバイスをした.



「いろいろ学べて一番きついのをやっておけ」というアドバイスは今の医療現場において正しいアドバイスなのかは正直わからない.でも私は彼に伝えた.


「それでも戦場に行け」と.