人事もつらいよ

西尾泰和のはてなダイアリー経由

君の場合は弊社と技術公募を行っている他社と、両方で内定が出れば、自分のやりたいことができるって保障されている方に行くでしょ。そういう人に内定を出すのは、他の人に内定を出すのと比べてリスクが高すぎる。だから、人事部はそういうリスクを嫌って、君には内定は絶対に出さないし、私からも、そういった人を人事に紹介することはできないよ。


今回のケースに当てはまるかはわからないけれど,人事側にはこんなジレンマがあるかもしれない.

  1. 超仕事ができるAさんとまぁまぁ仕事ができるBさんが応募してきている.
  2. Aさんは移り気でほかの会社に行っちゃう可能性があるが,Bさんはうちの会社ラブラブで内定を出せば絶対きてくれる
  3. 会社の予算の関係上1名しかとれない
  4. 1名がすみやかに補充されないと予算が無駄になるのもさることながら,その1名を期待してるプロジェクトがやばくなる


あなたが人事担当でこんな状況だったとき,どういう選択をするだろう?バクチを打ってAさんに内定を出すのもありだし,安全策をとってBさんに内定を出すのもありだと思う.


また全ての企業が「できる人を優先的に内定を出す」という戦略をとった場合,Aさんがあちこちの企業を受けまくった結果,Aさんより能力のない人はは一つも内定がとれないことになってしまう.これもまた変な話だ.


上記の話はちょっと恣意的に作ったものだけど,まぁよくある話だ.


サイボウズみたいに「金はあるんや.いい技術者はいくらでもとりまっせー」的な会社は両方の人間に内定を出してどう転んでも問題ないようにするんだろうけど,たいていの企業は予算の厳しい中,なんとか最良の方法を見いだそうとしてるので,「やる気のある学生ほど採用しない人事は爆発しろ」なんて腐るんじゃなくって,「就職活動は運とタイミングだ」ととらえて,その瞬間瞬間に最良だと思う選択をしていくのが精神衛生上よろしいんじゃないですかね.




あとこういうジレンマってほかにもありますよね.恋愛とか受験とか.



(おしまい)