ベンチャーを志向するということ

http://blog.gcd.org/archives/50816826.html

ここがスタートになっていろいろ意見が出ている.

http://slashdot.jp/article.pl?sid=06/12/11/0311248&threshold=-1

  • 雑種路線で行こう:ベンチャーに人材が足りないのは確かだが

http://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20061212


でyamaz的にもいろいろ思うところがあるので,書いてみる.なおid:yamazの経歴は下記の通り,

  1. 田舎大学の情報系修士を修了.
  2. 外資系有名半導体メーカで1年半ほど勤務
  3. 外資系超有名ポータルで7年ほど勤務.
  4. 現在無職.立場的にはおおむねニート.

この売り手優位の地合いでも,不遇のまま会社にしがみついている優秀な
技術者もいるだろうけれども,そういった方々は飛び出す前に娑婆の空気に慣れるか,
ベンチャー企業が往年の大企業並みに手厚く技術者を保護する文化が醸成されないと,
別の意味でミスマッチが起きそうな気がする.

結局の所ココがネックなのかなぁと思う.いろいろ切り口はあると思うんだけど,
とりあえず報酬の話に絞って話をしたい.


私の最初の就職先である外資系有名半導体メーカでは一番最初の新人研修の時に

「うちの会社はそこそこ儲かってます.なので今のままがんばれれば
平均的な年収はこれこれで退職金はこれこれです.」

というのをちゃんと教えてもらえた(しかも年金まであった!).もう具体的な
額は忘れちゃったけど,その額は国内メーカに比べれば少しいい内容で,
多いとは決して言わないけれど,一生喰っていく分には足りる金額で,
悪くないかもねというものだった.


その一方ベンチャーが提示してくる金額はよくてその金額の同等が精一杯で,
さらには退職金はおろかベストなシナリオ時のインセンティブについても
なにも触れておらず(というかない),ひどいところになると
「好きにさせてやるから給料安くてOKだよね?」とベンチャーを選択する
というリスクに関するプレミアムがほとんど考慮されていない感じだ.


## 仙石さんのところがそうだといってるわけではないので,誤解なきよう


私事だが最近フリー(というかニート)ということもあって,いろんな人から
声をかけていただいている.このこと自体は非常にありがたいんだけど,
ポリシみたいなのはあまり見えず,ただ使い勝手が良さそうだから声かけた
みたいなのが多くて正直うんざりな感じだ.

ひどいのになるとエンジニアリソースはひたすら買いたたけるというのが
最初からビジネスモデルに組み込んであって,「yamazならパパっと作れるでしょ?
お金はあんまり払えないんだけど,手伝ってよ」とか平気で言ってくる.


さらにはベンチャーと言ってもほとんどのところが「ベンチャー」とは名ばかりの
普通の中小企業で,ビジネスモデルが弱い単なる大企業の下請け企業というのも
結構多い.またそうじゃなくても会社として無茶苦茶儲けてるところはほとんど
なく,儲けているところでも技術者への分け前は率直に言って少ない.私の聞いた
範囲だとCTOレベルでも年収1200〜1500万程度がMaxで,リスクを負った上で
最高のシナリオを描けたとしてもその程度がMaxなんだったら大企業でいいや
とか思ったとしてもしょうがないだろう.


また今の時代あえて大企業を選んでいる真に優秀な人間は,私の知る限りかなりしたたかで,

「大企業だと好きな機材とかガンガン用意してもらえる」
「大企業の仕事はぬるいから俺20%ルールとかみんなで勝手にやってて超楽勝」

とか結構抜け目ない(私の知り合いの例).


こんな状況で「ベンチャーはのびのび出来ていいよ」とか「風通しのいい社風」
とか言うだけで来てもらえると思うのは少し苦しいかなと思う.少なくても
大企業と同等の待遇か,お金がないなら会社的なベストシナリオが成就したときの
インセンティブくらいは提示すればいいのにと思う.

というわけで

この売り手優位の地合いでも,不遇のまま会社にしがみついている優秀な
技術者もいるだろうけれども,そういった方々は飛び出す前に娑婆の空気に慣れるか,
ベンチャー企業が往年の大企業並みに手厚く技術者を保護する文化が醸成されないと,
別の意味でミスマッチが起きそうな気がする.

ここの部分はおおむね同意で,ベンチャー企業の方が望むような状況になるのは
もうちょっと先なのかなぁと思った.


「じゃあお前はどういう選択をするんだよ!!!!!!!!!!」


という方はおられるだろう.それは今のところナイショなのです:D

(おしまい)

yamaz的日常

ちょっと前になるが,くまくまーの人とスペジェネ反省会という名の
「yamazが舞波にスペジェネを教えてもらう会(←モーヲタが見ると勘違いしそう)」を行った.


# なおスペジェネ(スッペシャルで情熱的な機能を持った scaffold)の詳しい説明はこちら.


スペジェネはいろいろundocumentedな隠し機能があって,マスタ管理機能はとくにすごすぎ.
あとRailsアプリにおけるユーザの動線問題とかいろいろ話が出来ておもしろかった.


ところでアキバで待ち合わせるのに携帯電話の番号を交換したんだけど,
少し悩んだ後,勇気を持って「舞波」の名前で番号登録した.これで私の携帯の
履歴に「舞波」の文字が残ることになり,結婚3年目にしていらぬ波風の予感...
というわけでなにかあったらここの読者の人々に証人になってもらいたい.
この舞波はイカつい男性です.

yamaz的日常(その2)

id:moroさん,yuguiさん主催のABD呑み会に出席.
遅くなりましたが羽生さんをはじめ,みなさんお疲れ様でした.


ABDについていろいろ謎だった部分がかなりクリアになってよかった.
内容についてまだうまく咀嚼できてない部分があるので,引き続き考えていきたい.